身体的活動と認知機能の関係について
運動は加齢による認知機能低下を防止する
これまで運動習慣のある老人、老婦人の方が優位に認知機能が高く、認知機能の加齢に伴う継時的な低下も少なかったことが報告されている。
これについては、脳の神経機能の問題だけでなく、運動による脳循環血液量の増加が影響しているものと考えられている。
特に、オランダ国立公衆衛生環境研究所のvan Gelder BM博士らは、「フィンランド・イタリア・オランダの高齢者研究(FIN Study)」の結果についてNeurologyに報告している。それによると、1900年〜1920年に生まれた男性高齢者(295例)について、10年間の経過観察をしてデータを得たものである。
散歩、サイクリング、庭いじり、園芸、スポーツ、アルバイトなどや趣味などの身体を動かす活動の期間と程度を考慮して継時的な認知機能を比較すると、調査開始10年後に運動レベルが低下した男性では、同程度の運動レベルを維持していた男性よりも認知機能が3.6倍も多く低下していた。
高齢者が同程度の運動を10年間継続すると加齢による認知機能低下を抑える効果が期待できる。
引用文献:
van Gelder BM, Tijhuis MA, Kalmijn S, Giampaoli S, Nissinen A, Kromhout D: Physical acitivity in relation to cognitive decline in elderly men: the FINE Study. Neurology 63(12): 2316-21, 2004.
Weuve J, Kang JH, Manson JE, Breteler MM, Ware JH, Grodstein F: Phycial activity, including walking, and cognitive function in older women. JAMA 292(12): 1454-61, 2004.
Yaffe K, Barnes D, Nevitt M, Lui LY, Covinsky K: A prospective study of physical activity and cognitive decline in elderly women: women who walk. Arch Intern Med. 161(14): 1703-8, 2001.